2012/08/08

残りものには福がある

火曜は業界団体の会合で東京都心へ
相変わらず切符で電車に乗る
今や切符で乗る人はほとんどいない
ほとんどみんなピッてなんかカードを使っている
おかげで切符の券売機はすいていて
並ばずに買えるようになった
カード化へのイノベーションは
非イノベーションの私にもメリットがあった

こういう非イノベーションのメリットは
実はビジネスの世界でもあって

昔はフイルムカメラが主流で
フイルムの現像機を作っているメーカもたくさんあって
競争が激しく、シェアを握るのは至難の業だったが
世の中がデジタルカメラになり、フイルムの現像がなくなったら
現像機市場はすぼみ、現像機メーカはみんな撤退した

が、フイルムの現像が全部なくなったわけではないので
現像機が必要な時だってある
そしたら1社だけ残っていた現像機メーカに
全国から注文が殺到して、その会社は売上が伸びたそうだ
新市場に対応しなくても売上が伸びた例

最近は電化製品の中に入っているプリント基板も
高度化が進んでいて、多層基板、ビルドアップ基板などが
目白押し
基板・設計メーカも乗り遅れまいと新技術に対応していって
昔ながらの片面基板や両面基板の設計製造からは
撤退していった

が、世の中片面基板が全部なくなったわけではなく
例えば家のテレビやエアコンなどに必ず付く「リモコン」は
片面、両面基板だ
すると片面基板の設計製造に対応できる残り少ない
基板メーカは、全国から注文が舞い込むようになった
競争が激しい高度な基板よりも利益が出ているほどだ
非イノベーションで会社を成長させることができた

これは車の世界で言うと
もしかするとソレックスとかSUツインとかウェーバーの
キャブレターを完璧に同調、オーバーホールできる
昔ながらの職人の方が重宝されるかもしれない
旧車の世界ではまだまだキャブ車ってあるからね

しかし業界団体の会合で、年配の社長さん達を見ても
みんなスマートフォン持ってるね
今や私のように二つ折りの昔風の携帯電話使ってたら
恥ずかしい位の勢いだよね

スポーツカーの人気が衰えて世の中が1BOX車人気に
移行した際、けっこうガラッと変わるもんだな、と思ったけど
携帯電話の世界だって指スッスッのスマートフォンに
ガラッと、しかもあっという間に変わったよね
別に車だけじゃないんだ

実は個人的に振り返ってみると
私が1998年頃、初めて買った携帯電話はこれだ
買ったというか、あまりにも売れなくて
仕事でお取引先のシャープ様から
端末タダでいいから契約してくれないか、とお誘いを受けたもの
珍しもの好きの私はいいよと契約した

これがバカでかい画面の大きな携帯電話でなあ
当時はなんちゅうでかい携帯電話使ってるんだと
友人にバカにされたもんだが
今にして思うと、画面の大きさは今のスマフォと同等の大画面
しかもタッチパネルで、スタイラスペンで文字入力も可能と
今のスマートフォンが流行る前に
時代の先を行っていたのでは!?
(ちなみにその後機種変更の時ヤマダ電機の人にも
 この携帯電話はプッと笑われました)

車でも今の1BOX車人気が始まる前に
私が1980年代に目を付けて初めて買った車は
時代が早過ぎて誰も理解してくれなかったけど
(なんでそんな貨物車に乗るのって)

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