2011/06/11

なぜスズキのハイブリッド車は一代で終わったか

ラインナップに存在していた
(実はちょっとほしかった笑)
軽自動車のスズキも次世代の環境自動車技術に
取り組みはじめたのだ
しかしそれは一代限りの短命で終わる
後に続かなかった
なぜ続かなかったのだろう?

確かにツイン自体マイナーな車だったので
一代で終わってしまったが
別にハイブリッド技術は他の車で続けていこうと思えば
いけたはずだ

おおかたの見方では
・軽自動車で部品増、コスト増は割に合わない
・そもそも燃費がいいため、それ以上のしくみは望まれなかった
というふうにアナリストなどにも分析された
ふむふむ、確かにその通りだ
でも理由は果たしてそれだけだろうか?

日本の軽自動車の2大メーカと言えば
スズキとダイハツ
この2社に、他の自動車メーカでは見られない
特異な自動車の販売方法がある
それは「副代理店」制度だ
(スズキでは副代理店、ダイハツでは業販店と言うらしい)
通常のディーラー販売網の下に
無数に小さな契約販売店が存在する

副代理店やもうちょい下の一般販売店が扱う割合は
スズキの販売台数の75%以上にもなるらしい
非常に重要な販売チャネルだったりする
各スズキ自販○○という直系ディーラーのWebを見ると
必ず副代理店一覧が載ってる

その店舗数はどの位の規模なのか

例えば宮崎県
スズキの副代理店をはじめとして
県下に800店余の販売店があると書いてある

ちなみにディーラー直販を主とする
トヨタのディーラーの数は宮崎県で51店舗らしい

この800店と51店の数の違い、分かるだろうか
町、村のいたるところ、身近なところに
無数にスズキの看板を掲げた販売店があるのだと思う

参考まで宮崎県の乗用車保有台数は
JAMAの2011/5統計月報のPDF22ページを見ると
宮崎県
・小型車  :225,882台
・軽乗用車:272,462台
そう、5ナンバーの普通車より、軽乗用車の方が多いのだ
副代理店の販売サポート、ユーザサポートがあるからこそ
の実績だと思う

そしてスズキも副代理店をとても大事にする
毎年各地で副代理店大会を開催してるようだ

普通二次代理店のフォローは
その上の一次代理店、総代理店がやるものであって
メーカ自身が直接ケアするのは珍しい

かくしてスズキにとってとても重要な副代理店の存在だが
もしスズキがコテコテのハイブリッド車、電気自動車の
メーカに変貌を遂げた場合
スズキの車が高度な電子制御一辺倒の
専用回路テスタやデータロガーの分析を必要とする車両になった場合
副代理店、すなわち町の修理工場や中古車販売店は
技術的に付いてこれるだろうか?

お抱えの直系ディーラー自身ならまだしも
そういう設備やノウハウを整える対応はできるかもしれないが
副代理店による販売網には明らかにマッチングしない
販売網の崩壊さえ予想される

この理由があるからかどうか分からないが
他の自動車メーカに比べて
軽自動車メーカのスズキは
次世代電気自動車などの開発やラインナップが
あまり見えてこない面がある

それは技術的に「できない」のではなくて「やらない」
のではなかろうか
自身の販売方法を鑑みて
あえてリバース・イノベーション的な戦略に進んでいる
・・そんなふうに見受けられる

話を戻して、それがツイン・ハイブリッドの技術が
続かなかった理由かと笑

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