2013/10/03

古風な「難しさ」の魅力、新鋭「涼しさ」の魅力

EXILEの新曲の冒頭がすごいよ
ガルウイングの車がいっぱい出てくる
No Limit

1台これが混じってても面白かったのに笑

AZ-1は言わずと知れた「ミッドシップスポーツ」ですが
重たいエンジンが後ろにあるため
コーナーの立ち上がり加速はRRのポルシェ911と同様
抜群のトラクション(食い付き)を得る

つまりワインディングで速いってこと
リヤに荷重がかかっているため
LSDなしでもIN側のタイヤが空転することはない

またLSDがなくてもドリフトできちゃうのがミッドシップ
ていうか割とパワーがあるのでヘボいタイヤだと
意図せぬ時にリヤがブレイクしてドリフトをはじめる
(最近聞かない言葉ばっかだな笑)

考えようによっちゃリヤは重たいので
ブーンッと慣性の力で振ることができる

が、恐いのは「揺り返し」が大きいこと
いわゆる「お釣り」
重たいのでハンマー投げのようにドバーンと戻る
もう「全額お釣りでお返しいたします」みたいな感じ
たぶんこれで逝っちゃったミッドシップは結構いるのではないか

つまりミッドシップは「難しい」
スポーツ走行に天使になる時もあれば
悪魔になる時もある
表裏一体のハイリスク・ハイリターンだ

だが人はその「難しさ」を求める
それをマスターすることに生きがいを覚える
わざわざクラッチ付きのマニュアル車を買って、ね

アイス・スケートも同じだ
わざわざツルツルの難しい所へ行って
マスターすることに喜びを感じる
車バイク・・人気を得るには、難しくした方がいいのだろうか?
それとも簡単にした方がいいのだろうか?

バイクの中で簡単なのは「スクーター」だ
オートマチックで、自転車のように乗れる
実はこのスクーター、究極の「ミッドシップ」だ(ええっ)
ちょうどエンジンが後輪の手前の重心の低い位置にあり
前後荷重としては最高の位置に鎮座する

まあスイングアームにエンジンが付いちゃってるので
いわゆる「バネ下重量が重い」(足廻りが暴れる)という難点はあるが
でも考えようによっちゃ
バネ上に重たいもんがあってユッサユッサ揺れるよりは
こっちの方が重心は安定するという見方もある

スクーターに限らずバイクのエンジンマウントは車で言うミッドシップに
あたるので、バイク好きはミッドシップの車がちょうどいいかもしれませんね
もしバイクで前輪の上に重たいエンジンがあったら
とてもじゃないけど軽快な運転なんてできないからね・・

それはさておきこんなスクーターでも
実は「運転がかえって難しい」という意見を相次いで頂いた

一度はゴルフやった帰りに一緒になった方
若い頃ゼファー400とかいっぱしのバイクを乗ってたクチでしたが
彼に言わせると原付のスクーターは
足を揃えて乗らないとならないし
ニーグリップも効かないという点が非常に乗りづらいとのことだった
つまり、普通のまたがって乗る大きなバイクと比べた視点になるのですね

もう一度は先週家の前でシグナスXをいじっていた時
近所の小さな子供連れの若い奥様が
「スクーターは、白バイ隊員の方に教わったけど
 だめだ、乗れなかった・・自転車とは感覚が違う」
とのことだった
そうか・・自転車と似てると思ってたけど
自転車しか乗ったことない方にとっては「別物」なのか・・

やっぱりバランスをとって乗る乗り物は難しいね

そういう初心者のことを考えると
車は今後自動運転とか「簡単」の方に行った方が
顧客の人気を得るのかもしれない

バイクは逆に、難しい構造のため自動運転なんて
いつになってもできないクチだと思うので
逆に操作をマスターすることを楽しむ
「難しい」方面のまま残った方がいいのかもね
車と違って今でも大きなバイクの世界は
オートマよりマニュアルミッション車の方が多い

車は簡単になれば
渋谷系の女の子みたいのがゼロヨンできる
ローンチ・コントロール・システムを使って
アクセルべた踏みするだけでできるからね
シフトチェンジも勝手にやってくれる

昔はゼロヨンて言ったらあーた
最適に発進するのが一番難しくて
低過ぎればストール、高過ぎればホイールスピン
(バイクだとウイリー)
絶妙にコントロールするのが至難の業で
テクニックの差が一番現れる世界だった

ヘタクソだとすぐクラッチ逝っちゃってね
今なんか何回フル加速してもへっちゃらみたいな
部品耐久性となりました

ゼロヨンは「難しさ」を代表する遊びだったが
今や「どれだけクールに、涼しく一番をとるか」みたいな
遊び方になっちゃった笑

個人的には簡単なのもいいけど
なんだかそれだけじゃ人間の「質」が落ちていくような・・
そんな気がないわけでもありません

あれもこれもいろんな制御物が付いてるものよりは
「バイクはキャブ、エンジン、マフラーのみ。以上」
みたいなものに、逆に憧れます
(ないものねだりだな笑)

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