ページ

2012/05/16

三十年目の真実

何気に昨日の朝日新聞の夕刊を読んでいると
「F1で磨いた 寸法差ゼロ」という技術を持つ会社の
記事が載っていた
埼玉の小金井精機製作所という会社だ
へぇーすごいねえーなんて記事を読み流していると
思わず一点に目が止まった

「三十数年前、ホンダが馬力を最大限に高めるため、
通常は円形のシリンダーを楕円に変えたエンジンを設計。
”だめなら開発をあきらめる”と依頼された小金井が
加工に成功、信頼を高めた。」とある

こ、こ、これはNR500のエンジンではないか!

今の今まで、バイク人生の30年間何度も色んなNRの記事を
読んできたが、ただの一度も「小金井」の名前は出てこなかった
もちろんウィキにだって出てないし、ググっても出てこないし
ここの会社が造ったのか・・

だからバイク乗りもこの会社のことは知らないし
新聞読んでる普通の人も「楕円のエンジン?さて何のことやら」
状態だと思うので、これをつなぐのは俺の仕事かと笑
朝日新聞も時にはやるのー(個人的には特ダネ)

こうやって各自動車メーカの下には
縁の下の力持ちみたいな会社がいっぱい付いてるんだな

裏を返すとけっこう車の製造は外に出ている
時には車体丸ごと(関東自動車工業、セントラル自動車など)
時にはモジュール単位で(愛知機械工業、アーレスティなど)

自動車メーカはそれぞれを指揮する「コーディネーター」と
言えるかもしれない

今後もっともっと自動車も世界で競争が激しくなって
コストダウンの嵐が吹くと、外に出して最も安く車を作れる
製造会社が一手に全メーカの自動車の製造を受けるように
なるのかもしれない
そう、今の液晶テレビ、スマートフォンのように・・

日本のどのメーカのテレビも、世界のテレビやスマフォも
実際製造しているのは全て台湾・中国の
フォックスコン、ウィストロン、コンパル、TPVといった
独立系大手EMS/ODM企業だ
大量生産と安い人件費を武器に大幅なコストダウンを図る
ここに頼らずテレビやスマフォを自前の工場で造っているのは
今や韓国のサムスンやLG電子くらいしかない

まあ自動車はその点うまい
電化製品が大手家電量販店で叩き売りされるのとは違って
販社はあくまで自社系列のディーラー網とし
独禁ギリギリの線で高値を維持している

製造も崩れずに現状を維持するのか
はたまたセキを切って一気に新興国へなだれ込むのか・・
それとも新興国製造ビジネス自体が一歩後退するのか・・
予想が付きません

0 件のコメント:

コメントを投稿